ウイルス対策ソフトって結局何入れたらいいんだよ?【2022年、Windows版】内で紹介したウイルス対策ソフトを実際に評価してみる企画の第8回目となります。
今回評価するウイルス対策ソフトは「Intego」です。
Integoとは
Integoはフランスで設立され、現在はアメリカに本社を置くソフトウェア開発会社です。
日本ではあまり聞き慣れませんが、元々mac OSのウイルス対策ソフトとして開発を行っていたため、Macユーザには多少の認知度はあると思います。
Windows版については、リリースされていることを認識していませんでした。
また、AV-ConparativesおよびAV-TESTでの評価を確認しましたが、評価対象の製品に入っておらず、評価ポイントは未知です。
評価ポイント
過去記事と同様の評価ポイントを勝手に評価していきます。
実際に自宅にウイルス対策ソフトの入れ替えを検討しているため、割と本腰を入れて評価をつけていきます。
自身が評価するポイントは以下の通りです。
各10点満点で合計50点満点の評価とします。
- ウイルス検知能力、侵入検知能力(AV-ComparativesおよびAV-TESTを参照)
- インストールの容易さ
- 管理機能の使いやすさ
- 通知の存在感
- UIの扱いやすさ
逆に評価しないポイントとしては、以下の通りです。
- ウイルス対策ソフト自体のリソース
- サポートの手厚さ
- 過去実績
Integoのプランと価格
Intego アンチウイルスのプランは基本的に1年の契約プランで、台数により、価格が変動するタイプのプラン設定となっています。
契約期間 | 契約台数 | 販売価格 | 1台あたりの価格(1年) | ベース価格との差分 |
1年 | 1台 | 8,796円 | 8,796円 | 0円 |
1年 | 3台 | 13,116円 | 4,372円 | -4,424円 |
1年 | 5台 | 17,516円 | 3,503円 | -5,293円 |
Integoは契約年数が1年のプランのため、台数が多い方がお得となります。
ディスカウント率で言えば、1年3台プランが一番コスパが良いプランになります。
とは言え、IntegoはWindowsであればWindowsのみの価格となるため、PCが1台しかないような環境ではあまりおすすめではないです。
実際に導入してみる
使用する環境は以下の通りです。
- OS : Windows11
- CPU : 2vCPU
- MEM : 4GB
- DISK : 60GB
- ドメイン : 非ドメイン環境
評価版をダウンロードし、実行します。
UACが入るため、[はい]を選択します。
インストーラーが実行されるまで、待機します。
セットアップウィザードが表示されるため、[インストール]を選択します。
ここで、[インストールが完了したら、Intego Antivirusを開かないでください]という設定がありました。
通常のウイルス対策ソフトでは、ウイルス対策ソフトをインストールしたら自動実行されるので、この設定は面白いと思いました。
インストールを選択すると、インストールが開始されるためインストール完了まで待機します。
インストールが完了すると、自動的にホーム画面が表示されます。
Integoの特徴ですが、このホーム画面の表示が結構おそかったです。
なんというか、毎回何かをロードしているような感じでした。
[プレミアムIntego Antivirusへようこそ]が表示されるため、[7日間の試用を申し込む]を選択します。
ライセンスを持っている場合は、[ライセンスキーを持っています]を選択します。
評価にはメールアドレスが必要になります。
メールアドレスを入力して、[トライアルを開始]を選択します。
他のウイルス対策ソフトが30日や14日などの評価期間がありますが、Integoは7日のみ有効なので評価が必要であれば急ぎで評価する必要があります。
[以上で準備完了です]が表示されたら、[完了]を選択します。
メインの画面はこのような感じです。
城のマークが印象的です。
[スキャン]の項目では、各種のスキャンが実行できます。
ここでの評価ポイントは、カスタムスキャンにドラッグ&ドロップができる点です。
このカスタムスキャンについては、扱いやすくて良いと思います。
[クイックスキャン]を実行してみました。
クイックスキャンは、プログレスバーではないものの、どのフェーズを実行しているかがひと目見ただけでわかるようになっているため、プログレスバーでないからマイナスポイントというわけではないということを実感しました。
また、このような表示形式にすることで、ユーザからも何をしているのかはっきりするので良いと思います。
[隔離]では、感染が見つかったファイルの対応を決めることができます。
通常であれば削除で問題なさそうですが、誤検知した場合はこちらに移動されます。
移動されたファイルは削除・復元・除外ができるようです。
[セキュリティレポート]では、スキャンのレポートやウイルス検知のレポート等を確認できます。
ウイルス対策ソフトでレポートを確認できる点は良いと思います。
変にイベントログに記録だけされるタイプよりは良いと思います。
[設定]より、ウイルス対策ソフトの設定を確認していきます。
[一般]タブでは、言語設定と通知設定ができます。
スキャンの通知をオフにできるのは良い点だと思います。
[セキュリティ]のタブでは、保護の設定ができます。
トグルスイッチで設定項目を選べる点は良いと思います。
ただ、日本語が若干不安定な感じがしますが・・・
スケジュール設定では、スキャンを設定することができます。
基本的に、オフにするか、週一回のスキャンを選択できます。
[ウェブシールド]のブラックリストでは、ブロックするアドレスやIPアドレスを指定できます。
カンマ区切りで設定できる点は良いと思います。企業ユースではCSVインポート等があると便利ですが、家庭用だとCSVインポートでトラブルになりそうなので、下手にCSVインポートをサポートしていないという点も評価ポイントだと思います。
セキュリティ設定では、隔離するファイルのサイズと隔離期間の設定ができます。
また、除外設定も可能で、ウイルス対策ソフトとして最低限の設定はできるようです。
また、ZIPファイルスキャンのオン・オフ設定も可能です。
[アカウント]タブでは、使用しているアカウントの情報が表示されます。
[プログラムについて]タブでは、現在のプログラムのバージョンと有効期限をかくにんできます。
定義ファイルの日付等も記載してくれると本当に定義ファイルが更新されいているのかが確認できて良いと思いました。
設定できる項目は以上となります。
その他の設定について
Integoはファイアウォールの設定を包括しておらず、Windows ファイアウォールで設定します。
この点に関しては、評価ポイントとしてマイナスだと思います。
せっかくウイルス対策ソフトを導入したのだから、そこも管理してほしいなと思いました。
同様にIDS・IPSの設定がなかったので、IDS・IPSは無いと思いました。
また、他のウイルス対策ソフトでは、ウイルス対策ソフト自体の挙動設定がありましたが、Integoにはありませんでした。
ある意味究極のシンプルだと思います。
PCに詳しくない人などはこのようなウイルス対策ソフトでも問題ないような気がします。
ただ、そうするとデフォルトで入っているWindows Defenderとどのように差別化するかが難しくなると思います。
最後に気になる点としては他のウイルス対策ソフトでは、振る舞い検知の機能が入っていましたが、Integoには入っていませんでした。
これについては、評価ポイントとしてはマイナスですが、振る舞い検知を行わないという選択をしていると考えると100%デメリットであるとは考えられないなと思いました。(振る舞い検知は誤作動も多いため。)
総合評価
Intego Antivirusを使用し、様々な観点から総合評価を点数にしていきます。
なお、本評価は筆者の主観100%で構成されており、第三者機関による公正中立な評価ではありませんので、ご了承ください。
- ウイルス検知能力、侵入検知能力 : 0点(評価できず)
- インストールの容易さ : 10点
- 管理機能の扱いやすさ : 6点
- 通知の存在感 : 10点
- UIの扱いやすさ : 8点
総合得点は50点満点中36点です。
他のウイルス対策ソフトと比べるとかなり造りはシンプルでした。
そのため、シンプルな機能で良いからウイルス対策ソフトを導入したい。と言った要件であれば導入してみる価値はありそうだと思いました。
残念な点としては、外部の調査機関によるデータが無い点とWindows Defenderとの付加価値の付け方が不明瞭な点でした。
最近のWindows Defenderは優秀で無料で利用できます。
その点を加味すると、IPSもついていない、振る舞い検知もない、ファイアウォールも管理してくれないではウイルス対策ソフトに何を支払っているのだろうか?と疑問が出てきます。
それでもウイルス対策ソフトを導入しておきたいというのであれば入れれば良いと思います。
ついでに、私はこのソフトにこの金額を支払う価値はないと思いました。
Macであれば良いと思いましたが、Windows版は微妙な感じです。
まとめ
一通り、ウイルス対策ソフトの企画は全部実施してみました。
今後、筆者はどのウイルス対策ソフトを選ぶのか?や、各ウイルス対策ソフトの付加価値の付け方なども比較する記事が書けたら、良いと思います。
ついでに、IntegoをWindowsで採用するつもりはないと思います。
おまけ
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