今回は、Windows Server 2022のDHCPサーバを使用してIPv6をWindows11に配布する手順を記事にしました。
期待する目標
本手順で期待する目標は以下の通りです。
- Windows Server 2022でDHCPv6サーバを構築できる
- Windows11のクライアントへIPv6を配布できる
前提条件
今回DHCPサーバを構築するサーバは以下の通りです。
- CPU : 2vCPU
- MEM : 4GB
- DISK : 60GB
- IPv4 : 192.168.90.250
- IPv6 : fc00::192:168:90:250
- Hostname : dev-dhcpv6
- ドメイン : 未参加
IPv6のアドレスを配布するWindows11クライアントは以下の通りです。
- CPU : 2vCPU
- MEM : 4GB
- DISK : 60GB
- IPv4 : 未設定
- IPv6 : DHCPv6より配布
今回使用するDHCPv6のアドレス範囲は以下の通りです。
- プレフィックス : fc00::192:168:90:0/64
- 優先順位 : 0
アドレスのプレフックスについては、検証のため適当に設定しています。
DHCPサーバインストール
[サーバマネージャ]より、[管理]-[役割と機能の追加]を押下します。
[開始する前に]より、[次へ]を押下します。
[インストールの種類]入り、[役割ベースまたは機能ベースのインストール]を選択し、[次へ]を押下します。
[サーバの選択]より、[サーバプールからサーバを選択]にチェックが入っていることを確認し、[サーバプール]より、DHCPサーバをインストールするサーバが選択されていることを確認し、[次へ]を押下します。
[サーバの役割]より、[DHCPサーバ]を選択します。
[DHCPサーバに必要な機能を追加しますか?]より、[管理ツールを含める(存在する場合)]にチェックが入っていることを確認し、[機能の追加]を押下します。
[サーバの役割]より、[DHCPサーバ]にチェックが入っていることを確認し、[次へ]を押下します。
[機能]では、今回機能を追加しないため、何も選択せず[次へ]を押下します。
[DHCPサーバ]より、[次へ]を押下します。
[確認]より、インストールする内容を確認し、[インストール]を押下し、インストールが完了するまで待機します。
[結果]より、DHCPサーバが正常にインストールされたことを確認し、[閉じる]を押下します。
以上でDHCPサーバのインストールは完了です。
DHCPv6サーバの設定
本手順では、DHCPv6の機能のみを有効化します。
DHCPv4サーバの設定については、以下の記事をご覧ください。
[サーバマネージャ]のフラグより、[展開後構成]-[DHCP構成を完了する]を押下します。
[DHCPインストール後の構成ウィザード]-[説明]より、[コミット]を押下します。
[DHCPインストール後の構成ウィザード]-[要約]より、[セキュリティグループの作成]タスクが[完了]となっていることを確認し、[閉じる]を押下します。
[Windowsスタート]より、[サービス]-[DHCP Server]の状態を確認します。
[DHCP Server]を右クリックし、[再起動]を押下します。
[DHCP Server]のサービスが再起動するまで待機します。
[DHCP Server]より、サービスの状態が[実行中]となったことを確認します。
[Windowsスタートメニュー]より、[Windows管理ツール]-[DHCP]を押下して、DHCPコンソールを起動します。
[DHCP]-[DHCPサーバ]-[IPv6]を選択し、IPv6のDHCPサーバのステータスがグリーンであることを確認します。
[IPv6]を右クリックし、[新しいスコープ]を選択します。
[新しいスコープウィザードの開始]より、[次へ]を押下します。
[スコープ名]より、以下の設定を行います。
- 名前 : 任意のスコープ名を設定
- 説明 : スコープ名に対する説明を設定(任意)
設定完了後、[次へ]を押下します。
[スコーププレフィックス]より、以下の設定を行います。
- プレフィックス : 任意のIPv6プレフィックスを設定
- 優先順位 : 任意の優先順位を設定
今回は、検証環境のためIPv6のプレフィックスは適当に設定しています。
また、今回はリンクローカルのIPv6アドレスではなく、ユニークローカルのIPv6アドレスを指定しています。
この設定を行うことにより、LAN内であっても別セグメントの端末にIPv6アドレスを配布することができます。
ただ、セグメントを超えることができるので、セグメントを超えたくない場合はリンクローカルアドレスを指定してください。
設定が完了したら、[次へ]を押下します。
[例外の追加]より、DHCPサーバが配布を行わないIPv6アドレス範囲を指定します。
[開始IPv6アドレス]および[終了IPv6アドレス]を入力して[追加]を押下します。
[除外するアドレスの範囲]より、先ほど追加した除外の範囲が追加されていることを確認し、[次へ]を押下します。
[スコープリース]より、DHCPによるIPアドレスの有効期限を設定します。
- 優先する有効期限 : 8日0時間0分 (任意の時間)
- 有効期限 : 12日0時間0分 (任意の時間)
設定が完了したら、[次へ]を押下します。
[新しいスープウィザードの完了]より、[今すぐスコープをアクティブ化する]が選択されていることを確認して、[完了]を押下します。
[DHCP]のコンソールより、IPv6配下に作成したスコープが存在することを確認します。
以上で、DHCPv6のスコープ設定は完了です。
DHCPv6によるIPv6払い出し確認
DHCPv6のスコープ設定が完了したら、IPアドレスの配布確認を行います。
今回は、DHCPサーバとDHCPクライアントが同一セグメントに存在し、クローズドな環境を用意しているため、他のDHCPサーバからの配布がない環境で払い出しの確認を行いました。
DHCPクライアントであるWindows11より、コマンドプロンプトを起動します。ipconfig /all
コマンドを実行し、IPv6アドレスが設定したスコープから払い出しされていることを確認します。
DHCPコンソールより、[IPv6]-[スコープ]-[アドレスのリース]より、IPv6のアドレスが端末にリースされていることを確認します。
以上でIPv6の配布確認は完了です。
まとめ
今回は、Windows Server 2022のDHCPサーバを使用してDHCPクライアントにユニークローカルのIPv6アドレスを配布しました。
IPv4と異なり、デフォルトゲートウェイなどの情報はルータから配布される感じなのでDHCPサーバ側では設定しません。
用途的にネットワーク全体でIPv6を運用しており、基本はグローバルIPv6で通信をしているが、DNSサーバやADサーバなどLAN内で通信させる用にIPアドレスを配布する必要がある際に使うと思われます。
このDHCPv6を使用することにより、グローバルなIPv6アドレスを持ちつつ、LAN内のリソースにIPv6でもアクセスできるようになると思います。(多分)
IPv6のネットワーク設計や運用については実務経験が無いため、手探り状態ですので暖かい目で見守っていただけると幸いです。
おまけ
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