今回は、オープンソースの仮想化プラットフォームであるProxmox 8.1 VEをインストールする手順を解説します。
企業が使用する仮想化プラットフォームとしては、VMware(Boradcom)やCitrix、Microsoftあたりを使用することが多いですが、Proxmoxもそれに類する仮想化プラットフォームとなります。
自身もVMwareやMicrosoftのHyper-Vなどを使用していますが、どれも有償のライセンスが必要になるため、個人利用の場合はそこらへんがネックになってくるかと思います。
そこで、無償で使用することができるProxmoxは個人勢には良いと思います。
期待する目標
本手順で期待する目標は以下の通りです。
- Proxmoxをダウンロードすることができる
- Proxmoxをインストールすることができる
前提条件
本手順で使用する環境は以下の通りです。
- CPU : 2vCPU
- MEM : 4GB
- DISK : 100GB
- NIC : 1NIC構成
今回は、検証のためHyper-V上に構成しています。
HYper-V上で構成する場合、以下の設定を実施しています。
- 仮想マシンの世代 : 第2世代
- セキュアブート : 無効
- VT-X : 有効化
Hyper-V上で仮想化ソフトウェアを有効化する場合は、Microsoftから解説の記事が出ているので、一読しておきましょう。
URL : https://learn.microsoft.com/ja-jp/virtualization/hyper-v-on-windows/user-guide/nested-virtualization
Hyper-Vの仮想マシンでVT-Xを有効化する場合は、仮想マシンを作成後、Hyper-Vサーバ上でPowershellを起動して以下のコマンドを実行します。
PS > Set-VMProcessor -VMName <VMName> -ExposeVirtualizationExtensions $true
Proxmoxのダウンロード
以下のURLよりProxmoxの公式ページに移動します。
URL : https://www.proxmox.com/en/
Proxmoxの公式ページより、[Proxmox Virtual Environment]-[About Proxmox Virtual Environment]を押下します。
[Proxmox Virtual Environment]のページより、[Download]を押下します。
[Downloads]より、[Proxmox VE 8.1 ISO Installer]をダウンロードします。
以上でProxmoxのダウンロードは完了です。
Proxmox インストール
仮想マシンの設定が完了したら、ISOファイルをマウントして仮想マシンを起動します。
Bootメニューより、[Install Proxmox VE (Graphical)]を押下します。
[END USER LICENSE AGREEMENT (EULA)]より、EULAの内容を一読し同意できる場合は、[I agree]を押下します。
[Target Harddisk]より、Proxmoxをインストールするディスクを選択し、[Next]を押下します。
[Location and Time Zone selection]より、以下の設定を行います。
- Country : Japan
- Time zone : Asia/Tokyo
- Keyboard layout : Japanese
今回は、タイムゾーンを東京、キーボードは日本語キーボードを使用しているため、日本語キーボードを選択しています。
設定が完了したら、[Next]を押下します。
[Administration Password and Email Address]より、以下の設定を行います。
- Password : 管理者に設定するパスワードを入力
- Confirm : 管理者に設定するパスワードを再度入力
- Email : 管理者のメールアドレスを入力
設定が完了したら、[Next]を押下します。
[Management Network configuration]より、以下の設定を行います。
- Management Interface : eth0 (任意のNICを選択)
- Hostname (FQDN) : Proxmoxに設定するホスト名を指定
- IP address (CIDR) : Proxmoxに設定するIPアドレスをCIDRを指定
- Gateway : Proxmoxが所属するネットワークのデフォルトゲートウェイを指定
- DNS Server : Proxmoxから参照可能なDNSサーバを指定
設定が完了したら[Next]を押下します。
[Summary]より、設定内容を確認し、[Automatically reboot after successful installation]にチェックを入れ、[Install]を押下します。
インストールが開始されるため、完了するまで待機します。
インストールの完了後に自動で再起動する設定を入れたため、インストール完了後はProxmoxのコンソールが表示されます。
ここに、proxmoxへアクセスするURLが表示されるため、ブラウザよりアクセスします。
Proxmoxの管理画面へのアクセスは以下のURLとなります。
URL : https://<IP or FQDN>:8006
以上でProxmoxのインストールは完了です。
Proxmoxへアクセスする
ブラウザより、Proxmoxの管理画面へアクセスします。
Proxmoxの管理画面にアクセスすると、ログイン画面が表示されます。
初期設定だと英語で表示されているため、[Language]より日本語を選択します。
ユーザ名とパスワードを入力した後に言語設定を変更すると、入力したユーザ名とパスワードが消えますので、ご注意ください。
日本語のUIになったら、ユーザ名とパスワードを入力して、[ログイン]を押下します。
初期設定時のユーザ名は[root]となります。
パスワードはインストール時に設定したパスワードとなります。
Proxmoxはサブスクリプションを購入することで、Enterpriseの機能が利用可能になります。
今回は、サブルクライブしていないため、[OK]を押下します。
Proxmoxのサブスクリプションで一番安いのが、年間110ユーロで日本円で約17,000円ほどとなります。(2024/2/18現在)
有償のサブスクリプションが必要な方は、別途購入しましょう。
今回は、検証のためサブスクリプションのライセンスは投入しません。
サブスクリプションの警告を飛ばすと、Proxmox VEの画面が表示されます。
ここから、仮想マシンの作成や管理などを行うことができます。
以上でProxmox VE 8.1へログインは完了です。
まとめ
今回は、Hyper-V上にProxmox VE 8.1をインストールしてみました。
以前、Proxmox6.3をHyper-V上に構築しましたが、インストールの方法については大きく変更がなく、すんなりとインストールすることができました。
なぜこのタイミングでProxmoxの記事を出したかというと、先日Broadcomに買収されたVMwareが、仮想化プラットフォームの無償提供をしないという方針に舵きりをしたからです。
今まで無償で利用が可能だったVMware ESXiなどは今後サブスクリプション型になり、個人利用の方にとってはかなり大きな影響を受けると思い、その逃げ先として無償で利用が可能なProxmoxを紹介がてら導入検証をしてみました。
実際のところ、VMware製品が無償提供されなくなったからといって、企業がESXiから乗り換えるとは思っていないので、個人的にはそこまでインパクトのあることか?と思いました。買い切りからサブスクになって値上がりしたところで、そこまで顧客が離れるとも思っていないですし、Microsoftのライセンス値上げに関してもほとんどの企業が受け入れてMicrosoftの製品を使用している現状があるため、これも時代の流れかなー程度にしか思っていません。
ただ、このような時代になったので、逃げ先ぐらいは考えておいた方が良さそうです。
おまけ
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