【ウイルス対策ソフトを10種使ったエンジニアが】カスペルスキーセキュリティを評価【2022年版】

IT Philosophy
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今回は、こちらの「ウイルス対策ソフトって結局何入れたらいいんだよ?【2022年、Windows版】」より、第2弾、カスペルスキーセキュリティを評価してみます。

カスペルスキーセキュリティとは

Kasperskyはロシアモスクワに本社を置く、コンピュータセキュリティ会社で、カスペルスキーセキュリティ等のウイルス対策ソフトを開発しています。

参考までに、AV Comparativesによる評価は13/15でATP Advanced+となっており、最高評価を受けています。(2021/11/9)
また、AV-TESTによる評価は保護スコア6.0/6.0、パフォーマンス6.0/6.0、ユーザビリティ6.0/6.0と満点の評価を得ています。(2021/11-2021/12)

評価ポイント

ESETを評価した際と同様の評価ポイントで勝手に評価していきます。

実際に自宅のウイルス対策ソフトの入れ替えを検討しているため、割と本腰を入れて評価をつけていきます。
自身が評価するポイントは以下の通りとなります。
各10点満点で合計50点満点の評価とします。

  • ウイルス検知能力、侵入検知能力(AV-ComparativesおよびAV-TESTを参照)
  • インストールの容易さ
  • 管理機能の使いやすさ
  • 通知の存在感
  • UIの扱いやすさ

逆に、評価しないポイントとしては、以下の通りとなります。

  • ウイルス対策ソフト自体のリソース
  • サポートの手厚さ
  • 過去実績

カスペルスキーセキュリティのプラント価格

カスペルスキーセキュリティは契約年数×契約台数で製品の価格が決まります。
ESETと同じで台数と年数が増えるごとにディスカウントが適用され、1台あたりの価格が安くなります。
ESETと比べ、カスペルスキーは複数の製品が出ておらず、1プランとなります。
こう考えると、1製品だけというのはシンプルで良いですね。

カスペルスキーセキュリティの価格は1年1台契約で4,054円がベースの価格となります。
各契約年数と台数の価格は以下の通りとなります。

契約期間契約台数販売価格1台あたりの価格(1年)ベース価格との差分
1年1台4,054円4,054円0円
1年5台5,072円1,014円-3,040円
1年10台7,109円711円-3,343円
2年1台7,109円3,555円-499円
2年5台9,422円942円-3,112円
2年10台11,459円573円-3,481円
3年1台9,147円3,049円-1,005円
3年5台11,459円764円-3,290円
3年10台14,412円480円-3,574円

今まで、ウイルス対策ソフトの詳細な価格は意識していなかったのですが、比較してみるととても興味深い結果となりました。
ESETとの比較となるのですが、ESETは3年5台の9,900円に比べ、カスペルスキーは3年5台の価格が11,459円と1,500円くらい高いんですね。
ただ、カスペルスキーは台数が10台までのプランがあるので、6台以上の場合は圧倒的にカスペルスキーの方が安いです。
3年10台のプランなんて1年1台あたり480円ですよ?安すぎません?

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スマホも含めて1年5台版

良コスパの3年5台版

実際に導入してみる

と、いうわけで価格については、非常に安いなーという印象を持ったので実際にカスペルスキーセキュリティをWindowsに導入していきたいと思います。
導入する環境は使い回しのため、毎回変わりません。(仮想環境にOSを入れてスナップショットで戻しているため、常時ピュアな状態です。)

  • OS : Windows11
  • CPU : 2vCPU
  • MEM : 4GB
  • DISK : 60GB
  • ドメイン : 非ドメイン環境

評価版をダウンロードし、実行します。

[ようこそ]と表示されるため、[続ける]を押下します。
GDPR向けに「使用を意図していません」と言葉で配慮しているのがちょっと面白かったです。

[使用許諾契約書]を一読し、[同意する]を選択します。

使用許諾契約以外に、声明文が表示されるため、[同意する]を選択して進めます。

[インストールの準備が整いました]より、必要に応じて[カスペルスキーパスワードマネージャをインストールしてパスワードや大切な個人情報を保護する]のチェックを外し、[インストール]を選択します。

このタイミングでUACが表示されたため、[はい]を選択します。

カスペルスキーセキュリティのダウンロードおよびインストールの完了まで待機します。

インストールが完了すると、[おすすめの設定]が表示されるため、任意で設定をして[適用する]を押下します。今回は、[機能紹介を見る]以外全てチェックしました。

[正常にインストールされました]と表示されるため、[完了]を押下します。
補足ですが、カスペルスキーセキュリティを入れると、自動的にVPNも導入されます。
個人的に変なネットワークドライバが入って結構厄介なので変なソフトを入れて欲しくないですね。。。ここは減点です。

起動すると、初めにアクティベーションが入るため、[体験版を使う]を選択します。
製品を持っている方はアクティベーションを行いましょう。

マイカスペルスキーなるものにログインすると製品の登録情報やまとめて管理などの機能が使えるようになるみたいです。
今回は使用しないので[スキップ]を選択します。

以上でアクティベーションが完了したみたいなので、[完了]を押下します。

諸々の設定が完了したら、カスペルスキーセキュリティのメイン画面が表示されます。
とりあえず、シンプルな感じでいいですね。
最初はとりあえず、アップデートをかけてみます。

[アップデートする]を選択すると、アップデートが開始されます。
本来であれば、自動でスケジュールが組まれているので、必要ないような気がしますが、気になるのでアップデートしておきます。

アップデートが完了したら、色々触ってみます。

[スキャン]のページはこんな感じ。
普段は簡易スキャンで月一ぐらいでフルスキャンをかけるイメージです。

そのほか、カスタムスキャンやリムーバブルドライブのスキャンもあります。

他には脆弱性スキャンがありました。
これは、アップデートのスキャンですかね。自宅環境では敢えてバージョンを制御しているソフトもあるので、不要と言えば不要ですが・・・

スキャンメニューですが、メインの設定は松竹梅の3メニューとなっており、ウイルスなど怪しいものが検出された際の処理方法も設定できます。
また、スケジュールを設定することができ、任意のタイミングでスキャンをかけることもできます。

詳細設定を開くとファイル種別によってスキャン対象を絞るので、スキャンの短縮もできそうです。
さらに、スキャンの最適化も設定でき、新規ファイルまたは、更新があったファイルのみスキャンをかけることもできます。

さらに、色々と細かいファイル形式をスキャンしたりすることもできるらしいです。

ファイルサイズの制限もでき、ISOファイルなどの大きいファイルを除外できるので、さらにスキャンの効率化ができそうです。

ここは賛否両論あるかと思いますが、振る舞い検出もできそうな感じです。
これも松竹梅メニューから選択できるらしいです。
スキャン技術については、iSwiftとiCheckerの2種を選択できます。
調べた限り、 iSwiftはカスペルスキーが開発した独自のアルゴリズムで差分検出などにより、高速化できるらしいです。iCheckerもカスペルスキー独自でNTFSのファイルシステムをスキャンするそうです。

これは単純に評価ポイント外の部分ですが、カスペルスキーのネット決済保護の方法が面白かったので紹介します。
ネット決済保護などの高セキュリティになる挙動ですが、カスペルスキーの場合は、URLを使用してそのURLにアクセスすると高セキュリティになる挙動になります。

仮に、Googleのサイトを登録してみました。
これで、ブラウザを開くと。

こんな感じで緑枠がつき特別感が増します。
これで視覚的に「保護されているものだ」と認識できるので良いと思います。

また、プライバシー保護の部分では、Webカメラ保護とWebトラッキング防止がありました。
Webカメラ保護はコロナウイルスの影響で在宅勤務が増えてきたのでどのソフトも導入しているんだなーと思いました。
Webトラッキングについては、最近どのソフトでも標準で搭載されているものが多くなった気がします。自分はトラッキングされても良いので、特に必要ないと思います。

このブロックも評価ポイントとして関係はないですが、便利ツールとして様々な機能が備わっていそうです。

カスペルスキーセキュリティを入れると勝手にVPNがセットアップされます。
これは、カフェなどのオープンなWiFiを使用する際に、通信を暗号化し、セキュアに通信ができる機能です。
自宅へのアクセスにVPNは使用しないのでそもそも不要ですが・・・

あとは、個人的にウイルス対策ソフトに入っていて欲しくない機能がこのPC最適化機能です。
基本的にはウイルス対策ソフト導入後に真っ先にオフにする機能です。

カスペルスキーの良い点として、レポート機能がウイルス対策ソフトに内蔵されているという点です。
ログファイルに書かれるだけとか、イベントログに記載されるだけだと参照しにくいですからね。
これは非常に良いと思います。

毎回恒例のファイアウォールルールの設定を確認してみます。

ファイアウォールのルールは、アプリケーション毎に設定をするパターンとパケットごとに設定をする2種類となります。

アプリケーションネットワークルールでは、使用しているアプリケーションごとに通信ルールを制御する方式です。
普及度と評価方法についてはどの程度信用して良いかわかりませんが・・・とりあえず許可、選択、拒否から選べます。

パケットルールについては、通信の受信元と発信先のポートを指定して制御ができそうです。

某Windowsファイアウォールよりは設定しやすく、わかりやすいと思います。
また、ESETのようにゾーンという概念がないので、設定の方式は古いですがシンプルでわかりやすいと思いました。

実はカスペルスキーでとても評価できそうなポイントを見つけました。
それは、設定のインポートとエクスポートです。
今までは、他の端末にウイルス対策ソフトを導入しようと思ったら、基本的な設定は初めからやってあげないといけなく、とても大変で設定ミス等も増えるなー思っていました。
カスペルスキーではマスターとなる設定を決めたら、それをエクスポートして他の端末でインポートしてあげればすぐに設定が反映できてとても良いと思いました。
これ、早めに知っておきたかったです。
というか、このためだけにカスペルスキーに乗り換えても良いのではないかと思いました。

総合評価

カスペルスキーセキュリティを使用し、様々な観点から総合的評価を点数にしていきます。
ブログでは、文章量の関係上一部の設定のみ載せましたが、実際にはかなりしっかりと評価しています。

お、本評価は筆者の主観100%で構成されており、第三者機関による公正中立な評価ではありません。ご了承ください

  • ウイルス検知能力、侵入検知能力 : 10点
  • インストールの容易さ : 10点
  • 管理機能の扱いやすさ : 9点
  • 通知の存在感 : 9点
  • UIの扱いやすさ : 7点

総合特典は50点満点中45点です!

ESETと比べると、UIの扱いやすさはESETの方が上に感じました。
ただ、ESETは通知が残念で大きかったのでそれがなく、ESETよりも点数が上回りました。

特に評価したのが、設定のインポート・エクスポート機能と、レポート機能です。
PCのロギングだけでは飽き足らず、自分の体調までもロギングし始めるくらいログを見るのが好きなあ筆者にとってはレポート機能のためだけに心がぐらっとくるようなものがありました。
また、設定のインポート・エクスポートは複数台に展開する際にとても便利で重宝しそうです。

まとめ

ウイルス対策ソフトを評価する企画の第2弾としてカスペルスキーセキュリティを評価してみました。
過去のトラブルに目を瞑れば、6台以上10台以下の管理する場合、コスパがよく設定を一括で配布できる環境が整うので、とても良い印象を受けました。
このような評価を残り5回ぐらい実施しますので、今後ともよろしくお願いします。(とてもしんどい)

おまけ

本ブログではVMwareやWindows、Linuxのインストール手順等も公開しております。
インフラエンジニアとして有益な記事や無益なコンテンツも作成しておりますので、通勤時間や休憩時間、休日のスキマ時間等に合わせて読んでいただけると幸いです。
また、Youtubeで解説動画を鋭意作成中です。本ブログで記事にしているものも動画にしようと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

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