前回、DNSサーバを変更することでインターネット?は速くなるのかという記事を書きました。
今回は、そのDNSサーバのレスポンスを計測するためにPowershellでクリプトを作成したので、ツールの紹介と使用方法を記事にしたいと思います。
前提条件
DNSのレスポンスタイムを計測するツールは以下の環境で動作確認をしました。
- OS : Windows10/11 Windows Server 2016・2022
- Powershell Version : 5.1
最低限の動作確認しかしていませんが、通常のWindows環境であれば動作すると思います。
使用方法
willserverのGitHubより、DNS_Response_Timeのスクリプト一式をダウンロードして任意の場所に配置します。
[DNS_List.csv]を編集します。
[DNS_List.csv]はチェックしたいDNSサーバの名称と実際に計測したいIPアドレスをCSV形式で記載します。
[DNS_Response_Time_Script.ini]を編集します。
[DNS_Response_Time_Script.ini]より、以下の値を変更します。
- DNS_List_Path : DNSサーバ一覧のパス(変更不要)
- DNS_Response_Time_Result : DNSの応答時間結果を出力するファイルパス(変更不要)
- ResolveName : 名前解決を行うドメインまたはIP
- QueryCount : 名前解決を行う回数
- Interval_Time : 名前解決間隔(変更不要)
[ResolveName]と[QueryCount]を変更すれば基本的には動作します。
また、Interval_Timeを短くすると、DNSサーバへのクエリ実行間隔が短くなるためDNSサーバの負荷が上昇するため、1s以下にしないでください。
Powershellを起動し、[DNS_Response_Time_Script.ps1]を実行します。
実行すると、DNSリストに記載されている順番に、DNSの名前解決時間を表示しながらログに出力されます。
スクリプトが終了し、[DNS_Response_Time.csv]に実行結果が出力されていることを確認します。
以上でDNS_Response_Time_Scriptの使用は完了です。
内部仕様
本スクリプトの内部的な使用も一応記載しておきます。
DNSの応答時間を計測するにあたり、名前解決の部分には[Resolve-DnsName]という標準コマンドを使用して名前解決を行っています。
nslookupのように、DNSサーバにクエリを投げその結果を表示させます。
ただ、Resolve-DnsNameコマンドはDNSの名前解決の結果を変更しますが、名前解決にかかった時間は計測できないので、別のコマンドで応答時間の計測を実行しています。
応答時間の計測には、[Measure-Command]というPowershellの標準コマンドを使用しています。
Measure-Commandはコマンドを実行した実行時間を計測するコマンドで、Resolve-DnsNameコマンドの実行時間をMeasure-Commandで計測し「コマンドの実行時間=DNSの名前解決応答時間」と定義してDNSの応答時間としています。
厳密にいうとこれはResolve-DnsNameのコマンド実行時間であり、「DNSの名前解決の応答時間ではない」と言われれはその通りです。
ただ、一般的にDNSの名前解決応答速度を超厳密に計測するのであれば、もっと別の計測方法を使用しないとだめなような気がしますが、あくまで一般的にどれくらいの応答速度なのか?を計測する精度で作成しているため、問題はないと思っています。
まとめ
今回は、DNSを応答時間を効率的に測定するために、Powershellでツールの作成を行いました。
特にスクリプトを作成してやろうとは思っていませんでしたが、なんかぱっと使いやすそうなツールが無かったので、自作してみました。
Powershellを使用した経緯として、Windows Serverなどの環境でも実行しやすいように、あえて外部ツールを使わず、Windowsの標準機能だけで実装しました。
インフラ系の仕事をしていると、外部のツールを入れるだけで申請が必要だったり、外部ツールを使用するためだけにお客様に説明を行ったりする必要があり、めんどくさいというのがあるので、可能な限り標準機能だけで実行できるようにしています。
ぜひDNSサーバの名前解決時間を計測してみたいという変な需要があれば、ぜひ使用していただけると幸いです。
DNS Reponse Time Check Script -GitHub-
おまけ
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