今回は、Windows Server 2022に、NFSのサーバを構築する手順を記載します。
期待する目標
本手順で期待する目標は以下の通りです。
- Windows ServerでNFSサーバを構築できる
- WindowsクライアントからNFSサーバのマウントができる
- NFSサーバにファイルの書き込みができる
前提条件
本手順で使用する環境は以下の通りです。
- CPU : 2vCPU
- MEM : 4GB
- DISK : 60GB (NFSサーバ領域含む)
- Server : Windows Server 2022 DC
- Client : Windows 10 Pro
NFSとは
Network File System(NFS)は主にUNIXで利用される分散ファイルシステムおよびそのプロトコルである[1]。1984年にサン・マイクロシステムズによって実質的な最初の規格となるNFS version 2 (NFS v2) が発表され、RFC 1094・RFC 1813・RFC 3530・RFC 5661・RFC 7530・RFC 7862 などによって定義されている。
wikiより引用
Windowsのファイル共有だとSMBを使用する場合が多いと思いますが、Linux系のOSが絡む時はSMBよりもNFSのほうが利便性が高かったりします。
NFSのインストール
[サーバマネージャー]より、[管理]-[役割と機能の追加]を押下します。
[開始する前に]より、[次へ]を押下します。
[インストールの種類]より、[役割ベースまたは機能ベースのインストール]を選択し、[次へ]を押下します。
[サーバの選択]より、[サーバプールからサーバを選択]を選択し、インストールする対象のサーバを選択します。インストールするサーバを選択したら、[次へ]を押下します。
[サーバの役割]より、[ファイルサービスと記憶域サービス]-[ファイルサービスとiSCSIサービス]-[ファイルサーバ]を選択します。
[ファイルサーバ]が選択されたことを確認します。
[サーバの役割]より、[ファイルサービスと記憶域サービス]-[ファイルサービスとiSCSIサービス]-[NFSサーバ]を選択します。
[役割と機能の追加ウィザード]より、[管理ツールを含める]にチェックが入っていることを確認し、[機能の追加]を押下します。
[ファイルサーバ]と[NFSサーバ]にチェックが入っていることを確認し、[次へ]を押下します。
[機能]では、特にインストールしないので、そのまま[次へ]を押下します。
[確認]より、インストールする役割を確認し、[インストール]を押下します。
インストールが完了したら[閉じる]を押下します。
以上でNFSサーバのインストールは完了です。
NFSサーバの設定
NFSサーバのインストールが完了したら、NFSサーバの設定を行っていきます。
NFSサーバで共有するフォルダを作成します。
[サーバマネージャー]-[ファイルサービスと記憶域サービス]より、[共有]タブを押下します。
[共有]-[タスク]-[新しい共有]を押下します。
[プロファイルの選択]より、[NFS共有-簡易]を選択し、[次へ]を押下します。
[共有の場所]より、以下の設定を行います。
- カスタムパスを入力してください : ●
- パス : NFS共有を行うパスを入力
設定が完了したら、[次へ]を押下します。
[共有名]より、以下の設定を行います。
- 共有名 : 任意の共有名を入力
- 共有するローカルパス : 自動入力
- 共有するリモートパス : 自動入力
設定が完了したら、[次へ]を押下します。
[認証]より、以下の設定を行います。
- Kerberos v5認証 : □
- Kerberos v5認証と整合性 : □
- Kerberos v5認証とプライバシー : □
- サーバ認証なし : ■
- マップされていないユーザアクセスを有効にする : ■
- UID/GIDによるマップされていないユーザアクセスを許可する : ●
設定が完了したら、[次へ]を押下します。
[共有のアクセス許可]より、[追加]を押下します。
[アクセス許可の追加]より、以下の設定を行います。
- All Machines : ●
- 言語のエンコード : ANSI
- 共有のアクセス許可 : 読み取り/書き込み
- ルートアクセスを許可する : ■
よくある構成だと、共有アクセス権で絞るパターンか、NTFSアクセス権で絞るかのどちらかで絞ることが多いので、共有アクセス権は緩めに設定をしています。
設定が完了したら[次へ]を押下します。
[共有のアクセス許可]より設定が問題ないことを確認し、[次へ]を押下します。
[アクセス許可]より、[アクセス許可をカスタマイズする]を押下します。
[アクセス許可エントリ]より、[追加]を押下します。
[アクセス許可エントリ]より、以下の設定を行います。
- プリシンバル : 任意のグループまたはユーザを選択
- 種類 : 許可
- 適用先 : このフォルダー、サブフォルダーおよびファイル
- フルコントロール : ■ (任意)
- 変更 : ■ (任意)
- 読み取りと実行 : ■ (任意)
- フォルダの内容の一覧表示 : ■ (任意)
- 読み取り : ■ (任意)
- 書き込み : ■ (任意)
今回は、検証環境のためEveryoneでフルコントロールを付けています。
本番環境で設定する場合には、適切なグループにアクセス権を適用してください。
設定が完了したら、[OK]を押下します。
設定が完了したら、[アクセス許可エントリ]に正しい設定がされていることを確認し、[OK]を押下します。
[アクセス許可]より、NTFSアクセス権の設定が反映されていることを確認し、[次へ]を押下します。
[確認]より、設定する内容に誤りがないことを確認し、[作成]を押下します。
[結果]より、NFS共有の作成と設定が完了となっていることを確認し、[閉じる]を押下します。
以上で、NFSサーバの設定は完了です。
NFSクライアントからのアクセス
NFSサーバの設定が完了したら、NFSクライアントからの接続を行ってみます。
接続する端末はWindows 10でデフォルトだとNFSクライアントがインストールされていないので、インストールから行います。
[コントロールパネル]-[プログラム]-[プログラムの取得]を選択し、[Windowsの機能の有効化または無効化]を押下します。
[Windowsの機能の有効化または無効化]より、[NFSクライアント]を選択し、[OK]を押下します。
機能の追加が完了すると、再起動を求められるため[今すぐ再起動]を押下します。
再起動後、コマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行します。
C:\ >mount <NFSサーバのFQDN or IP>:/<共有名> <ドライブレター>:\
ここで気を付けてほしいのが、NFSサーバの指定をした後は、[\]ではなく、[/]となります。
また、ドライブレターに関しては、空いているドライブレターを選択してください。
マウントができたら、エクスプローラより、ネットワークドライブとしてマウントされていることを確認します。
最後に、ファイルやフォルダの作成と削除ができることを確認します。
以上でNFSクライアントの設定は完了です。
まとめ
今回は、通常ではあまり使用されないNFSサーバをWindows Serverにインストールし、Windows10からマウントを行いました。
NFSサーバというと、Linux系のOSでは比較的メジャーなファイルサーバとして構築されるイメージがありますが、Windows Serverでも比較的簡単にNFSサーバを構築することができました。
Windowsのみの環境だとSMBの方が無難で簡単だと思いますが、どうしてもNFSサーバじゃないといけない場合にGUIから簡単に管理と共有ができる点がWindows ServerでNFSサーバを構築するメリットではないでしょうか。
おまけ
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